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山峡の寺(2)

 二人は行為の名残を洗い流し、並んで風呂に浸かった。悠泉寺の古風な作りの風呂場はそれなりに広くゆったりと作ってあるが、良く肥えた睦豊和尚と筋肉質で体格の良い哲史が並んで入ると風呂桶が壊れるかと思われるほど窮屈であった。
「驚いたであろう、、、男同士で、、、」
狭い風呂で哲史に向かい合い、澄んだ目で見つめながら睦豊和尚は言った。
「えっ、、、は、はい、、、」
「寺というのは男が中心の世界、修行中の僧堂は男だけで長い間暮らすことになる。儂はその時に男同士の世界があることを知った。」
「そうなんですね、、、」
「一通りの修行を終え、雲水として師匠の寺で修行している間、先輩から厳しく指導され、時に暴力を振るわれたりもした、、、その夜、先輩は儂が休んでいる部屋に来て、傷ついた身体に薬をつけ、お前が憎くてやってるわけではない、お前のためを思って厳しく指導して、このようなことになってしまった、許せ、と言いながら、儂の身体に軟膏を塗ってくれた。」
「大変なんですね、修行も。」
「まあ、世間から隔離された空間に若い男が厳格な作法の中に詰め込まれるからな、、、その中で自分を見つめることになる。おかしくなるものもいれば耐えきれず途中で逃げ出すものもいる。なんとか耐えている中で、いろいろなことが起こる。先輩は儂の傷の手当のため軟膏を塗りながら涙を流して謝っておった。そしてある時、羽目を外した修行仲間が寺の出身ではない儂を不満のはけ口にし始めた。儂は頭を剃る剃刀、、、哲史が使うような髭剃りではなく和刀だから一歩間違うと身体を傷つける剃刀で、、、儂は下の毛を剃られてしまった。みんなの見ている前で、下帯も外され裸にされて、、、剃られた。もちろん、剃り跡は傷だらけで血が滲んでいた。その夜も先輩は心配して訪ねてくれて、傷跡に軟膏を塗ってくれた。血の滲んだ下帯を悲しそうに見つめながら、、、止めてやれんで申し訳ない、許せ、と何度もつぶやきながら。涙ながらに傷ついた身体をいたわってくれた。」
睦豊和尚は目を閉じて湯船に身を沈めた。二人の太い脚が湯船の中で絡み合った。
「その時に、な、、、傷ついた下腹に軟膏を塗ってもらっているうちに、男としての反応が起こってしまった。意に介さず先輩は儂の下腹をさすりつづけて、若かった儂は先輩の愛撫に耐えきれず、射精してしまった。」
「そんなことがあったのですね、、、」
「ああ、それから、先輩は儂を可愛がってくれるようになり、夜は先輩の部屋に呼び出された。儂が先輩にしてもらったように、先輩もしてほしい、と言われ、儂は従った。最初のうちは手で先輩を満足させていたが、そのうち、口で施すことを求めてきた。先輩もそのような経験があったと言っておった。」
「そのようなことを求められて、嫌ではなかったのですか。」
「最初から男のものを咥えるという行為が全く嫌ではなかったと言えば嘘になる、、、しかし、男だけで寺という狭い空間で生活を共にしていけば、優しくしてくれる先輩に対して嫌という思いはほとんど消えていた。先輩が喜ぶのであれば、という思いが勝った。」
睦豊和尚は湯船の中で身体を起こし、火照った剃髪の頭から吹き出た汗を手ぬぐいで拭った。
「先輩との行為をつづけているうちに、別の先輩雲水から声をかけられ、呼び出された。お前は雲水と夜な夜な楽しんでおるだろう、と言ってな。」
「ばれてしまっていたんですか、、、先輩との、関係、、、」
「それは仕方がない、、、狭い寺だから、頻繁に同じ部屋に篭っていればわかってしまう。その先輩雲水は、自分にも同じ行為を施せと言ってきた。」
「それは、大変ですね、、、」
「ああ、どちらかというと厳しい修行を積まれている雲水という印象があったkら意外であった。」「で、、、どうされたんですか、、、」
「先輩の命に背くことはできない、、、断れるものではないので、勤めさせていただきます、と申し上げた。」
「そうなんですね、、、」
「だが、先輩は儂の下帯を解くと、尻を弄り始めた。寺にあった馬油を塗りつけてな。儂は驚いたが、雲水は意に介さず、先輩とやっておるだろう、と言いながら儂の中に入ってきた。苦しかったが、儂の太ももを抱え上げ、一心に腰を振っておる雲水の姿を見ると、随分年上の雲水であるのに何故か可愛らしく思えてきてな。全身汗だくになり、儂の腹の上に吹き出した汗がぽたぽたと滴ってきてな。儂の中を雲水のものが掻き回しながら、膨れ上がって、ついには射精した。儂の腹の中が雲水の吐き出したものでいっぱいになった。何故か儂は幸せに感じて、雲水が愛しく思えてきた。」
「そんな感じなですね、、、僕には経験ないですが、、、」
「ああ、儂も哲史と同じで親を早く無くしてな、寂しかったんだろう、雲水と一つとなることに喜びを感じ始め、声をかけてくれるのを心待ちにしておった。その雲水も、毎夜のごとく儂を可愛がってくれた。」
「毎晩ですか、、、」
「そうだ、、、その雲水と同じ部屋で床を取ることになってな、その雲水が下帯一本で床に入ると、儂も同じように下帯一本になって同じ布団に入り、温めあった。そしてお互いに口で慰め合い、最後はいつも儂の中で果てた。」
のぼせそうになった睦豊和尚は湯船から上がり、洗い場の椅子に腰掛けた。
「それで、その後は、、、その雲水さんとは、、、」
「ああ、一年後にその先輩の雲水は寺を出て行き、儂は修行を続けていた。そして、その一年後にはその雲水から連絡があった。自分が住職となった寺を手伝え、とな。」
「どうされたんですか、、、」
「もちろんその話を受けた。それがこの悠泉寺の先代住職、ということだ。」
「えっ、そうだったんですか、、、」
「ああ、十五ほど年上だったが、、、若いのに癌を患ってな、、、五十過ぎでご遷化された。」
睦豊和尚は身体が冷えるのに任せ、目を閉じて思いに耽っているようであった。愛する人を失った、という意味では哲史と同じであった。睦豊和尚はどんな思いでこの寺を一人で守ってきたのであろうか。哲史は睦豊和尚のふくよかな身体を見つめながら思いを巡らしていた。

哲史が目覚めると、すでに隣の睦豊和尚の布団は片付けられていた。時計を見ると、すでに朝の勤めが終わっているはずであった。なんとか起き上がって布団をたたみ、作務衣に着替えた。庫裏の食堂ではすでに粥座が用意されていた。
「哲史、、、おはよう、、、」
睦豊和尚の声を聞くと、霞がかかったような哲史の頭の中に昨夜の話が駆け巡った。
「おはようございます。」
「さあ、朝飯にしよう。」
睦豊和尚は経を唱えると食事を始めた。食事を始めると基本的には無言である。哲史は今日東京の下宿に帰る予定であったが、寺の日課は淡々と過ぎていく。朝課や作務をこなしていくと、すでに予定した列車の出発の時刻が迫っていた。
「、、、ありがとうございました。」
哲史は山門の前で睦豊和尚に挨拶した。もっと何か言わねばという思いはあるが、何をどう伝えていいのかわからない。
「元気でな、学業に励め。何かあったら儂に連絡するのだぞ。これは、寺を手伝ってくれたお礼だ。」
睦豊和尚は過分な額が入った封筒を哲史に押し付けた。
「え、そんなつもりでは、、、僕が泊めてもらったんですよ、、、」
「手伝ってくれたことには変わりない。」
「睦豊さん、、、僕、、、ずっとこの寺にいたい、、、僕を悠泉寺に置いてください、、、」
「何を言い出す、、、哲史は大学で勉強するのだ、、、それがご両親や妹さんの望んでいたことではないか、、、」
「でも、、、でも、、、、、、」
「いつでも、この寺を自分の家だと思って帰ってこい、、、わかったな。」
睦豊和尚は踵を返すと山門をくぐり、振り返りもせず寺に戻っていった。
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てつ(rokujizou62)

Author:てつ(rokujizou62)
五年の沈黙を破った(?)相変わらず妄想する白ブリーフの中年男。だらだらと妄想し続けています。ステテコを愛用しており、立派に中年から熟年への道を歩んでおります。最近はブリーフよりも、六尺褌や越中褌が多くなりました。ようやく水泳を再開し週2回ほど競パンで泳いでいます。黒かネイビーの競パンですが、最近はLサイズの深目のカットを愛用しています。

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